ナジム・ヒクメット作詞/訳飯塚 広/木下航二作曲 

扉をたたくのはあたし あなたの胸に響くでしょう

  小さな声が聞こえるでしょう

あたしの姿は見えないの


十年前の夏の朝 私は広島で死んだ

そのまま六つの女の子

いつまでたっても六つなの

あたしの髪に火がついて 目と手が焼けてしまったの

あたしは冷たい灰になり

風で遠くへ飛び散った


あたしは何にもいらないの 誰にも抱いてもらえないの

紙切れのように燃えた子は

おいしいお菓子も食べられない


扉をたたくのはあたし みんなが笑って暮らせるよう

おいしいお菓子を食べられるよう

署名をどうぞして下さい

死んだ女の子